◇浄土真宗本願寺派が作成
同派が08年に全国約1万の末寺に実施したアンケートでは「自死は仏教の教えに反するか」との質問に対し、「そう思う」(約60%)と「やや思う」(約14%)で4分の3を占めた。一方、同教務所が住職の妻に行った聞き取り調査では「言いにくい悩みは住職よりも妻に相談してくる」との傾向が明らかになった。「就職が難しいと電話をかけてきた20代の男性が次の日に自死した」「夜中に突然『お経を習いたい』と電話してきた70代の男性が翌日自死した」などの体験談も妻たちから寄せられ、「どう対応すべきか知りたい」との要望が出ていた。
「自死に向き合う」と題されたマニュアルは、自殺の兆候として「墓石の前に長い時間とどまる」「滞納していた会費を突然まとめて納入する」などを例示。死にたいと思いつめている人や遺族への声のかけ方として、「気にしすぎ」と話をそらしたり「そろそろ元気を出したらどうか」と無責任に励ましたりせず、「どんな気持ちなのか聞かせてください」と正面から受け止めるようアドバイスしている。
マニュアルを企画した安楽寺(東京都港区)の藤澤克己住職(48)は「死にたいほど苦しんでいる時に住職に『命は大切だ』と言われても、つらくなるだけだろう。お寺の奥さんが悩みを受け止め、適切に対応できれば、自殺を食い止める大きな力になり得る」と話している。【丹野恒一】
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